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抗生物質「ジスロマック」の効果は多岐に及ぶ!性病での炎症から呼吸器感染症まで対応

2020年01月17日
落ち込んでいる男性

ジスロマックの有効成分はアジスロマイシンと呼ばれるマクロライド系抗生物質で、病原菌の細胞内でタンパク質を合成する働きを阻止します。細菌はタンパク質の合成ができないと細胞分裂(増殖)ができなくなることから、抗菌効果を発揮します。ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬は、ペプチドグリカンを含む細胞壁を持つ細菌にしか抗菌効果がありません。これらに対してジスロマックなどのマクロライド系抗菌薬は、ペプチドグリカンを持たない細菌でも高い抗菌作用があります。ジスロマックは多くの種類の病原菌に対して抗菌効果を発揮するので、性病以外にも多くの感染症の治療に用いられています。

クラミジアなどの性感染症の他にも、肺炎などの呼吸器感染症の治療のためにジスロマックが処方される場合が少なくありません。マイコプラズマ肺炎は細菌に感染して起こる病気で、学校・幼稚園・家庭内などの閉鎖的な環境で流行します。日本国内では4年に1度の頻度でオリンピックの年に流行が起こることが知られていて、発症すると長期間にわたり咳が続きます。マイコプラズマ肺炎の病原菌に対してジスロマックが有効で、子供から年配者まで幅広い年代の患者に処方されています。

耳鼻科領域でも、ジスロマックが処方されるケースは少なくありません。鼻腔や耳に細菌が感染すると、副鼻腔炎(蓄膿症)や中耳炎などの炎症を起こします。鼻や耳に細菌が感染して炎症が起こった場合にも、病原菌を死滅させるために使用されます。

ジスロマックは歯科クリニックでも処方されることの多い薬のひとつで、歯周病や抜歯後の歯茎の炎症を抑える目的で使用されます。歯周病は歯と歯茎の間の歯周ポケットに細菌が繁殖して起こる炎症で、歯茎の腫れや口臭以外にも全身に悪影響を及ぼす恐ろしい病気です。歯周病を治療するためには歯石除去やブラッシングの改善が必要ですが、炎症を抑えるために抗菌薬が使用されます。アジスロマイシンは歯周病菌が形成するバイオフィルムと呼ばれるバリアを破る作用があり、深い部分まで浸透して病原菌の増殖を抑える効果が期待できます。

ジスロマックは性器クラミジアの治療だけでなく、呼吸器・耳鼻科・歯科などの多くの領域で幅広く用いられている抗菌薬のひとつです。アジスロマイシンは他の抗菌薬と比べてアレルギー反応が起こる危険性が低く、腸内細菌に対する影響が少ないので副作用が出にくいというメリットがあります。ジスロマックは多くの種類の細菌に対して抗菌効果を持つ上に安全性が高いので、性感染症以外の病気の治療に多く用いられている薬のひとつです。